BUSINESS

80歳の女性経営者から教えられた「仕事」「家庭」「生き方」の話

Kyoko

こんにちは、服部恭子です。

結婚、出産、そして離婚。
今は9才になる男の子を子育てしながら仕事をしています。

私は今でこそ

「一緒に仕事ができるだけで元気がでるよ!」
「話をするだけで安心する」
とお仕事の相手から言われるようになったり

ホテルに年間140泊したり、
1ヶ月ホテルスパに通い続けるような、
ライフスタイルを送ることができるようになりましたが、

産後に一度、仕事が全くない状態になり、
収入が全くなくなるような経験もしました。

ひとりビジネス歴は13年。
今年4期目を迎える会社を経営していますが、
「自分の人生を生きる」という覚悟のきっかけになった
ある女性経営者とのお話しを書き起こしておこうと思います。

人生の最後の日に、
「私はわたしの人生を歩んできてよかった」と言える。
そんな命を精一杯生きて行きたい方へのエールになれば幸いです。

80歳の女性経営者、ビジネスの世界を生き抜いて来た女性の強さ。

女性経営者さんとはじめてお会いしたのは、
もう10年以上前になります。

彼女の名前をここでは、
三井さんと呼ぶことにします。
三井さんは、当時80歳。

可愛らしいお花のような雰囲気と、
仏のような微笑みの持ち主でした。

彼女は30才の時に、
両親から受け継いだ不動産を元に起業。

その後、複数の事業を生み、地元の事業に貢献。
レストランやアパレルショップなどを現在も経営。

80歳、お会いした時もお店に立たれて、
長年通われているお客様とお話しをされている姿を拝見して、
いつまでも元気でいらっしゃるって素敵だなーと思ったものです。

元々も恵まれた環境にも感じますが、
彼女自身が働きはじめは50年前にさかのぼるので、
会社を作って、働いている女性は一握り。

少し田舎ということもあり、
子どもを産んですぐに働くなんて女性は
周りにはひとりもいなかったそうです。

「あんな働く人の子なんて、ろくな子にならない」
「女性としても奥さんとしても失格だ」
「旦那さんも子どももかわいそうね」
周りからも、旦那さんのご両親からも
いろいろと傷つく言葉を毎日のように言われたそうです。

私が同じ立場だったら、
こんな言葉をかけられたら、
苦しくてしょうがない気持ちになって、
もしかしたらめげていたかもしれません。

お話しをする中で、
「辛くはなかったのですか?どうやって心を保ったのですか?」
という問いに対して…

「家庭に関して、私は私のできることで精一杯のことをしていたの。
だから、周りに何を言われても気にならなかったのよ。」

「それに、人は勝手に物事を都合よく解釈するのよ。
勝手に想像してもらえたらいい…と本気で思ってたの。」

この言葉を聞いた時、
「分かってはいるけど、そんなに簡単には…」って
思わず言ってしまいました(笑)

26才の私は、まだまだ人の目を気にするところもあったので、
頭で分かっていても、心がついていかない。
と、正直思ったのです。

私はきっと困惑していたと思います。
その表情を読み取った三井さんから

「確かにしんどいのよ。涙も出るの。
心は傷つくし、眠れない日もあるのよ、
私のことなんて誰も分かってくれないって正直思ってたのよ」

「だけどね、自分の人生の幸せは自分で決めるしかないの。
私は娘も旦那も大切だったけど、
会社もそこで働く従業員もその家族も大切だった。
大切なものがたくさんある人生を私は愛していたの」

この言葉をもらいました。
今思い出しても、この時の三井さんの目がね、
強いけど、優しいんです。

乗り越えて来た人の目をしていました。
当時はサロンを運営しつつ、
県内外に出張しながら仕事をしていた私。

まだまだ軸が定まっていないくて、
周りからの評価も気にしていた時期だったので、
「自分の人生の幸せは自分で決めるしかない」は、
本当に真っ直ぐに私の心に届きました。

私たちは普段から、
たくさんの情報に触れているし、
SNSを開けばたくさんの幸せのカタチに触れられる。

どれが正解とかはないはずなのに、
気づけば「いいな〜」とか「うらやましいな〜」
という気持ちが湧いてくることがあると思うのです。

そこで大切にしなくてはいけないのは、
誰かの幸せではなくって、自分自身の幸せのカタチ。
それは自分でしか決められない。

誰かに何かを言われても、
「私は大丈夫」と言える、
自分に対する信頼が人生を豊かにするのだと
三井さんに教えてもらいました。

男は裏切るけれど、仕事は裏切らないのよ。

三井さんは小柄な女性でした、
ふくよかなボディラインで、
刺繍がほどこされたジャケットを羽織っていました。

清潔感があり、丁寧に扱われた白髪ヘアは
同じ女性が見ても
年を重ねたらこんなおばあちゃんになりたい!
って、思わずにはいられないくらいチャーミングさがありました。

そんな三井さんが「恋愛話」をしてくれました。
というのも、80歳を目前に、
50年以上連れ添った旦那さんと離婚。
しかも、旦那さんの浮気が原因だったそうです。

「これをいつかSNSに書きますよー!」
と、冗談で話をしていたので、
この投稿が手元に届いたら
きっと笑ってくださると思いますが…
「ひとつ大切なことを教えておくけど。

 仕事はあなたを裏切らない。
 あなたが努力した分だけ、ちゃんと仕事は応えてくれる。
 仕事に愛を注げば、仕事はちゃんと愛を返してくれる。
 でもね、男性に愛を注いだからと言って、
 愛が返ってくるとは限らないのよー!!あは♡」

人生の先輩の言葉はすごい。
もうこの言葉で
このブログを書き終えていいくらい(笑)

でも、それじゃいけないので、
ちょっとだけ書かせてください。

私たちって、
仕事も恋愛も、家庭があるなら家庭も。
子どもがいるなら、子育ても。
できることならなーーーんでも、頑張りたいし、
せっかくなら欲張って全部幸せになる!!
それでいいと思うんです。

だけど、うまくいかないこともあると思いますし、
人には言えないような苦労をして、
それでも、人前で笑顔でいなきゃいけないこともある。

私自身も離婚して、シングルマザーとして生きて、
子育てしながら、仕事を継続させてる…
SNSには書いてはいないけれど、
子どもを寝かしつけながら、一緒に寝落ちして、
慌てて起きて、夜中仕事することもあるし。

時には、子どもを見送った後、
午前中仮眠だー!と割り切って寝てる時もあります。

パートナーシップの話は
また別の機会にしたいところですが、
シングルマザーでの恋愛は課題がいろいろ。
悩むこともたくさんあります(笑)

だけどね「仕事は裏切らない」の言葉は
やっぱり間違っていないと思うのです。

「仕事は裏切らない」だけだと
ちょっと語弊があるかもしれないけれど…
「情熱を注いで、自身が頑張ったこと」はきっと
自分の血肉になるし、人生においての宝になる。

それは誰にも奪われることのないもの。
三井さんは、旦那さんから慰謝料ももらうこともなく、
これまでの人生の謝礼金を渡しての離婚だったそうです。

「浮気されたのに、いいんですか?」と
正直な感想を言っている私の前で…

「だって、私が愛した男だからね、
 最後まで幸せでいてほしいじゃない」

こんなことを言える女性になってみたい。
自分の人生をまるごと愛している女性の生き方を
三井さんから学びました。

誰かと比較して傷つかないために、大切にしている価値観を明確にし、成長に目をむける

今はジェンダーフリーの時代であり、
生き方も働き方も多様性があります。

男性だからこう、女性だからこうというのも
まだまだ残っている部分もありますが、
それぞれの役割分担が交わってきたなーと
感じることが増えてきました。

「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです」
ゼクシィのCMのキャッチコピーに多くの人が反応したのは
もう何年も前になります。

今でこそ、自分の人生を自分で決めるということをしやすい時代になりましたが
私の母世代(60代)は20代前半まで働いて、寿退社して主婦になる。
という人生を歩まれた方も多く存在していたように思います。

もっと前の世代だと、
親同士が決めた相手と結婚することになり、
結婚式の当日まで相手をよく知らないという時代もありました。
この数十年で時代はどんどん変わっているのです。

と言いつつ、私の母方の祖父母は定年まで共働きでしたし、
世代というよりも、住んでいる地域や
家庭環境が影響を大きく与えている場合もありますね。

お話しをさせて頂いた三井さんは、
お会いした時にはすでに80歳を越えていました。

きっと三井さんの働きはじめた頃は
周りは結婚して、家に入り、
主婦をしていた方も多かった時代だと思います。
一緒に畑仕事をしたりとか…

ですが、彼女は彼女の生きる道をつらぬいて、
人生を切り拓いてきました。

たとえ周りに何かを言われたとしても、
そこに信じる道があり、
自分自身の大切にしている価値観に支えられ
生きて来たのだと思います。

自身の大切にしているものが見えなくなった時、
人は自分のことを信じることができません。

結果、周りと比べて、
周りの価値観に自分を照らし合わせて
その違いに傷つくようになってしまうのです。

人は人、自分は自分。
言葉でいうのは簡単ですが、
実際はとても難しいことだと思います。

私自身も、小さい頃からのいじめられた経験から
人の目が気になり、
自分の心を見失って、
嫌われないように、怒られないように、
という人生の選択をしていた時期もありました。

でも、自分の幸せは自分で決めていいんです。
他人に決められるものではないんですよね。

「自分の人生を生きるためにも、
 よく学び、よく考え、よき師を見つけなさい」
と、三井さんから教えられました。

これだけでもひとつ記事が書けそうですが、
簡単にまとめてみますね。

よく学ぶことで、目の前の選択肢から
自分にとって最良なものを選べるようになります。

よく考えることで、目には見えない背景も
想像することができる思いやりを持つことができます。

よき師は人生の宝です。
必要な時に必要な人が目の前に現れます。
その時に手を取るためにも、学び、考える力が必要になります。

そうシンプルに教えていただきました。
私自身、お会いしてから10年以上経ちましたが、
この言葉や思いを確かに受け取り、大切にここまで歩んできました。

自分の人生を生きている人の姿は、
人に大きな影響を与えますし、美しい生き方だと思います。

三井さんにお会いして対話をしたことは、
その後の私の生き方に大きく影響を与えました。

私自身、三井さんとお会いしてから
この10年で人生が大きく変わりました。
結婚をして、出産、そして離婚もしました。

ここまで13年以上、仕事を続けられているのは
「自分らしい幸せのカタチ」を追求して、
自分の感覚・特性を尊重した、
心に優しく無理のない、
息の長いビジネスをするように意識しているからだと思います。

・ひとりビジネス歴13年
・会社設立1年目から年商1,500万越え
・セミナー講師としても活動
・女の子たちからの人生相談を受けるように
・インフルエンサーとして海外に仕事
・福岡を拠点にしつつ、全国のラグジュアリーホテルに宿泊
・シングルマザーへお仕事提携するビジネスを作る

三井さんが教えてくれたように、
「自分らしい幸せ」を追求しながら、
生き方、働き方のバトンを言葉にして、
必要としている人に渡せる私になろうと決めて
ここまで歩んで来ました。

実は三井さん、昨年亡くなられたんです。
このご時世なので、お別れをすることは叶いませんでした。
ですが、最後まで三井さんらしく、美しくいらっしゃったと伺っています。

もうお話しができないのはとても寂しくもありますが、
三井さんから学んだことを、こうして言葉に残しておくことで、
誰かのお役に立てるのであれば幸せです。

私たちの人生って本当に長いようで短いものだと思うのです。
もしあなたが「自分らしい人生」を歩めていないのなら、
勇気を出して、自分らしい人生を歩むきっかけを掴んでほしいです。

自分の生きる道を信じる。
仕事も家庭も愛をそそぎきる。

そんなに簡単なことではないのは重々承知ですが、
私もそんな女性でありたいと思っています。

人生最後の日まで
「この人生でよかった」と思える
後悔のない毎日を過ごしていきたいですね!

このブログからも何か伝わるものがあれば
とても嬉しいです。
一緒にがんばりましょう!

ABOUT ME
服部恭子
服部恭子
広報・ホテルライター
一流の接客に触れるためホテルに年間100泊以上するホスピタリティ研究家/ ホテルという場所が大好きで「ホテルを好きな人を増やしたい!」という気持ちで言葉を紡いでいます。
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