HOTEL

ザ・リッツ・カールトン日光 アクティビティ「日光彫体験」をしました。

Kyoko

こんにちは、服部恭子です。
1年ぶりのザ・リッツ・カールトン日光に6泊7日滞在してきました。
昨年は「朝の座禅」「アートツアー」を体験しましたが、せっかくの滞在ですので今回は有料アクティビティのひとつ「日光彫体験」を選びました。

その土地の文化を知ることができたり、ホテルの思いを知ったり、そこでしか味わえない体験ができるのが「アクティビティ」の魅力になります。

リッツカールトン日光では「奥日光ハイキング」「半月山サイクリング」などの身体を動かすアクティビティがあったり、文化を知るための「奥日光歴史探訪サイクリング」「風呂敷アート」「日光彫体験」などがあります。また、スピリチュアリティという分野では「朝の座禅」や「護摩祈祷」「早乙女神楽」などもあり、滞在に彩りを与えてくれます。

日光彫とは?

さて、今回私が体験した日光彫ですが、江戸時代初期に東照宮造営のために集められた彫物大工さんたちが、仕事の余暇に彫ったのが日光彫の起源となり、日光東照宮を造営したあとも日光に残って作り続けていたものが「日光彫」と呼ばれ伝統工芸品として引き継がれていったそうです。

のちほど、写真でご紹介させていただきますが、「ひっかき刀」と呼ばれるもので彫ります。繊細な線と彫りの深さによって濃淡ができるのが特徴だと教えていただきました。(手首で曲線を生み出すという技がすごかったです♪)

今回はザ・リッツ・カールトン日光の内装などで用いられている日光彫を彫られた平野工芸の平野秀子先生と平野央子先生の親子お二人にレッスンをしていただきました。

あとから調べていると、バブル期に旧日光市内で約200人いた日光彫職人は現在20人前後しか残っておらず、女性の職人さんは平野さん親子だけだそうです。

2023年G7栃木県・日光男女共同参画・女性活躍担当大臣会合が開催されました

2023年6月には日光市でG7(先進国首脳会議:カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国の7か国)が行われ、日光では、男女共同参画・女性活躍担当大臣会合が行われました。会場はもちろんザ・リッツ・カールトン日光にて!(日光市ホームページより

25日夜の地元主催レセプションでは、各国閣僚らに記念品として日光彫の写真立てなどが贈られたそうですが、それらも平野さん親子が作成されたものだったそうです。

女性の自立などがテーマとなった日光の土地で、親子で活躍される日光彫師のおふたりが作られたものが贈り物となっているのは、とても素晴らしいことだと感じています。

これらの作品を2ヶ月で作られたというから驚きです。
ちなみにザ・リッツ・カールトン日光の中の装飾品は9ヶ月で作られたと伺って、凄まじい集中力と技術力だと感じさせられました。ぜひホテルに訪れた際には見つけてみてくださいね!

日光彫体験

日光彫体験は事前予約が必須になります。
ホテルの宿泊予約をする際にぜひホテルに問い合わせをしてみてください。
私の時にはスパエリアにあるリラクゼーションルームにて開催されました。

目の前に広がるお庭と少しずつ色が変わっている木々に癒されながら、アクティビティスタートです!音楽もヒーリングミュージックが流れていて、もう心整う準備は万端です。

机の左側にお盆や小皿が見えますが、この中から選んで彫ることになります。小皿やお盆は飾ることもできますが…今回は私は文箱(大きな箱)を選びました。

ここから彫る絵柄を選ぶのですが、うさぎや花などありますが、以前Twitterで拝見してトライしてみたかったザ・リッツ・カールトンのロゴの獅子を彫らせていただきました。

はじめに周りの線を上からなぞり、箱にラインを残していきます。
白い線がうっすらついて、そこをガイドとして彫り進めます。

ラインが綺麗に残ったので、次は彫る作業にうつります。

「ひっかき刀」の使い方をレクチャーしていただきました。通常の彫刻刀は前に前に削っていく動作を基本としますが、ひっかき刀は手前に「引く」という動作が基本になります。

目の前で先生がお手本を見せてくださいましたが、その手捌きの美しさに感動するとともに、毎回のひっかきの力強さと繊細さ「念」とも言える気迫に感動しました。

先生のリズミカルな動きをぜひ見てみてください♪

彫刻刀とは違うので、しっかり「ひっかき刀」を握って、手前にひっかきます。
はじめは慣れなくて、手前にひいても彫れなくて、かすっと木の板の上を刃がすべってしまいます。何度かすると少しずつ引っかかってくれました。でも、やっぱり難しい!!

はじめのうちは手を添えてもらって教えていただきました。撮影されているのを忘れて、顔を作る暇もなく真剣な眼差しです(笑)力の入れ方に関してはコツを掴めたのはだいぶ先のことです…右手で刀を掴んで、左の人差し指で刃部分にそっと添える。

まずはガイドとしてロゴを型取ったラインの上を「ひっかき刀」で彫り進めていきます。しっかり彫らないと細い線になってしまい、ちょっと削っただけにしかならない。力任せでもいけない。ひと彫り、ひと彫りが真剣勝負でした。

ロゴの周りを型取りだけでも1時間以上の時間がかかってしまいました(涙)

途中で手の力も入らなくなってくるのですが、綺麗な彫り方ができると先生から「今のはいいですね!」「コツを掴んできましたね!」と褒めていただき、先生たちの優しさに包まれていました。

ずっと彫っていると綺麗に刃が木に入ると、木の削れる音が違うんです。ザザーっと音も違いますし、素材へのひっかかりを感じることができます。うまく入っていないとズズズーと上をなぞるような音になるのです。

輪郭を削ったあとは、慣れ親しんでいる彫刻刀の丸刀で削っていきます。

先生「日本の方は、小学校4年生の時に彫刻刀の時間があるので、彫刻刀の扱いになれていらっしゃる方が本当に多い印象です。海外の方は彫刻刀を使うことがあまりないので、レッスンの時にslow!slow!って伝えないと勢いで削ってしまうんです!」

そんな会話をしながら削っていました。

そして、無事に仕上がりました。
少し曲がっていますが、もうこれも味わいということで…
使用した日光彫の「ひっかけ刀」と彫刻刀丸刀2本と一緒に記念撮影しました。

もともとアクティビティの設定時間は1〜2時間ということですが、大きな絵柄だったこともあり2時間半のお時間をいただいて完成しました。

左)平野秀子先生 右)平野央子先生 との記念撮影をさせていただきました。

終わった頃はもう真っ暗。
先生たちの丁寧な指導をたくさんいただいて、もう大満足の時間でした。

一度先生たちに最後の仕上げをしていただくために箱を預けてお部屋に戻りました。

翌日届いた日光彫の作品は、先生が整えてくださり、ライオンの隆々とした毛並みを感じさせる深い彫がほどこされていました。
私が彫ったものがいかに平面的だったのかと感じさせられました。
先生!素敵に仕上げてくださって、ありがとうございます。

また、今回は写真をいつもお世話になっているある女性に撮影していただきました!
自身の活動しているところなんて、なかなか撮影できないので貴重な記事になっています。ありがとうございます♡

ホテルにおけるアクティビティの意味について考えてみる

今回、はじめて「日光彫体験」をしたのですが、感想はもちろん大満足。
こんなにも夢中になって取り組んだのは久しぶりだなーと感じるくらい、「ひっかき刀」と「文箱」にとことん向き合う時間となりました。

先生たちの真剣な指導が本当にありがたく、ちょっとした違いに目を向けてもらいながら作成することができたのは貴重な体験でした。

ホテルという場所の持つ意味はひとりひとり違います。泊まるだけの方もいらっしゃいますし、美味しいご飯を食べる方もいらっしゃいます。

そんな中でアクティビティはそのホテルにまつわる土地の歴史や文化に触れるきっかけとなります。

私自身はじめてのホテルに訪れた際には、お部屋など限られた場所を知るのに精一杯で、アクティビティを必ずトライするタイプではないのですが、「アートツアー」や「お茶体験」など、ちょっとだけ手を伸ばすところにあるアクティビティだけでも滞在する時に入ってくる情報の粒度が変わってくることは実感しています。

何も知らずに泊まるとただの置物だったり、背景のように感じていたものが、ひとつひとつに意味があり、そこにストーリーがあり、面白さがあり、選ばれる理由があることを知ることができます。

知っているのと知らないとでは世界の広がりが違うのです。

何度か泊まっていくうちに、ロビーやお部屋、レストランだけでなく、ホテル全体、ホテルを取り巻く環境に目がいくようになります。少しずつ世界を広げていくと、そのホテルの魅力をさらに感じることができるはずです。

アクティビティを通してはじめてのことに出会う。
世界を広げるきっかけにぜひホテルのアクティビティを楽しんでみませんか?
私もまた機会を見つけてアクティビティにトライしたいと思います。

ホームページ:ザ・リッツ・カールトン日光
アクティビティ:お申し込みページはこちら
(※ご予約時にお問合せするとご案内をいただけます♪)


ABOUT ME
服部恭子
服部恭子
広報・ホテルライター
一流の接客に触れるためホテルに年間100泊以上するホスピタリティ研究家/ ホテルという場所が大好きで「ホテルを好きな人を増やしたい!」という気持ちで言葉を紡いでいます。
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